2008年07月13日

57:ランゴーニュ(フランス)



それは、古い、古い物語。
1000年も前に、世界の姿を見た人々がいました。
10世紀末、それは起こりました。
権力をめぐる醜悪な陰謀。
大勢の人が殺されました。
老人も幼子も。
人が人に対してなしえる最悪の暴虐。
人々はその極限を目の当たりにしました。
何人かがその地獄を生き延びました。
彼らは悟りました。
人の世の本質を。
地上は常に邪悪と絶望に満ちているのだと。
生き残った人々は誓い合いました。
この世界に復讐する。
弱き者、虐げられた者を助け、地上に正義を実現しよう。
絶対の秘密と忠誠の誓い。
ここにソルダが初めて芽生えたのです。

ソルダの血は荒野に染み渡り、大河へと流れ込む。
盟約を結んだものたちは、各地へと散り、社会の裏に隠れ住んだのです。


出展『ランゴーニュ写本』


《ランゴーニュ写本コピー1》
人の中の人
愛の中の愛
罪の中の罪
隠者は罪人に告げた
ソルダは真実と共にあると

Parmi le peuple,
parmi les amours,
parmi les péchés,
les SOLDATS se trouvent dans la vérité,
dit l'ermite au pécheur.

《ランゴーニュ写本コピー2》
罪は散りてまた集うことなく
されど罪は消えることなく
愛もまた絶えることなし
隠者はまたこうも告げた
ソルダの血は荒野に染み渡り
大河に流れ込む

《ランゴーニュ写本コピー3》
ソルダの両手は二人の乙女
罪を背負いつ
慈愛もて差し伸べらるる
漆黒の手
ノワール


実際に『ランゴーニュ写本』をこの目にしようと訪れた町、ランゴーニュ(Langogne)。鉄道に揺られること数時間、予定到着時間から2時間遅れて到着。何せアルルやマルセイユ方面からの線路が1本しかないので、すれ違いが出来ない状態。真っ直ぐに伸びる線路もなければ、スピードの出る電車ではなくオンボロ車両。この町に行くのも一苦労です。

宿を探す必要があったため、1人しかいない若い駅員さんにこの町の地図とホテルリストを貰い、パリ行きの電車が時間通りに来ないことに口論をし始めた50代のお客に同情し、駅員さんを可哀想に思いながら町に出ました。

駅前は閑散としており、駅を出て左に下り坂となっており、どうやら道路っぽかったので、とりあえず道なりに進み左折して本通りへ出ました。貰ったホテルリストによると、この本通り沿いに数件あるようで、駅からそれほど離れていない安めのホテル(一泊30ユーロ程)に宿泊することにしました。

そして、そこからちょっと苦労(w。そのホテルは、1階がバーになっており、2階以上がホテルとなっていました。そこで、一日だけ泊めて欲しいことをバーカウンターにいた奥さんに言うと、英語が分からないようで、当然ですがフランス語で返されました。どうやらOKは貰えたみたいですが、設備の説明でシャワー付が良いかどうかを聞かれたので、「シャワーね、それでお願い」みたいに言うと、やはり通じない(汗。フランス語でシャワーは"douche"ですが、ロシア語でもシャワーは"душ"なので、音による理解はできましたが、理解できたことを分かってくれなかったので、奥さんは常連さんの若いお客さんが英語が話せるということで、通訳してもらい、ようやく泊まることができました。

そして、この町は今晩フェスティバルが開かれるということを奥さんから聞かされ、花火が良く見える部屋を案内され、シャワーが使えることを確認して、ようやく長旅の疲れを癒そうとしました。でも、電車が2時間遅れたことで、行く予定だった湖へは行かず、閉まってしまう前に教会へ直行し、念願の写本を見に行きました。時間は本当にギリギリで、管理されていらっしゃるお婆さんに感謝の意を述べて待ってもらいました。写本と言っても、信者が記帳するノートなのですけどね(w。

それはそうと、昼下がりの4時頃に着いて、教会の閉まる5時までの1時間は天気もよく、風も吹き、気持ちが良かったのですが、夕方以降、急に天気が変わりました。天気というより天候というべきでしょうか、長袖がないと外へ出られない位寒くなり、部屋へ戻って、オランダでの滞在以降、もう着ることはないと思ってバックパックの一番奥に押し込んだ服を着ました。

フェスティバルまであと1時間あったので、さらに町を散策しようと坂を上って丘の上から町を見下ろしたり、川沿いを歩いたりしましたが、あまりにも町が小さすぎたので、時間が余ってしまいました。早めに会場に行ってみるかと思い向かったのですが、もちろん誰もいない。湖まで行って帰ってこれるほどの時間はなかったので、早めに晩御飯をしようと、ホテル近くにあるスーパーでパンとクスクスを購入し、部屋へ帰って外の景色を見ながら食事をしました。

部屋からは会場が見えるのですが、しばらくして人がちらほら見え始めたので向かいました。しかし、実際にフェスティバルが始まったのは約2時間経ってから。このルーズさが、この町の良いところなのかは分からないのですが、時間感覚が変わる町であるのは間違いない(w。この2時間ほどの間は、本通り沿いのお店でこの町のポストカードを買ったりしていました。

それにしてもこの町。人気(ひとけ)がほとんどない。坂の上には、夕方の寒さというか涼しさを求めてきた夏の避暑地的な別荘!?はそれなりにあるのに、人がいない。本通りでも、カフェ以外、人をまず見ない。歩いている人もちらほら。しかし、フェスティバルが始まると、どこにいたのか、人がぞろぞろと、いや、うじゃうじゃと出てきて、総勢300人位はいただろうか、フェスティバル広場や花火を見るのに絶好な橋の上は人でごった返しました。

そして、彼らは私の前に出ると、おもむろに膝をつき、両の手を合わせてこう言いました。

「申し遅れました。私たちは皆、ソルダです」と(嘘。

それはそうと、ようやく8時頃になり花火の時間となると、歓声なのか、音に負けじと話す声なのか、よりいっそう騒がしくなりました。約20分ほどの花火はやはり日本のそれとは違い、単調なものでした。日本の花火の海外輸出は多分どこでも受けるような気がしないでもない。

花火が終わり、しばらくすると大人の時間。フェスティバル会場ではビールが2ユーロほどで振舞われ、豪奢なダンス!?が始まりました。もちろん、私は棒立ち(汗。辺りが暗くなるにつれ、人の数は減ったが踊りは終わらない。夜の11時、12時を過ぎても踊りは終わらず、雨がぱらぱらと降り始めても帰ろうとしない(汗。10時を過ぎた辺りからほぼダンスライトだけしか明かりがなくなったため、もう真っ暗。とにかく、誰が前にいて、どこに立っているのかが分からないほど暗い。明日も朝早く、9時頃に出ることもあって、帰ろうと歩き出しましたが足元が見えない(汗。道を外れてしまって、知らないうちに芝生の上を歩いていたり、、、。

ようやくホテルに着くと、ほろ酔い気分でシャワーを浴びて、眠気に任せて眠りにつきました。

翌朝、夏なのに気温が15度を切ってるような感じでしたが、気持ちよく起きられ、荷物をまとめて、1階へ降りました。そして、バーカウンターにいた奥さんと常連さんらしき叔父さんに挨拶して、お金を払おうとカードを出しましたが、現金払いしか駄目らしく、現金で払おうとすると現金がない。本通り沿いにあるATMへ行ってくるからというようなことと、「荷物を置いといてもいい?」ということを言い、荷物をカウンターに置いてダッシュでATMへ行ってお金を下ろしてきました。荷物を置いてきたのはまずかったと焦り、急いで戻ると荷物は無事で一安心。お金を渡し、お別れを言いました。

しかし、まだ気を抜けない。列車の発車時間まで残りわずか。時間にルーズなお国柄とこの町の時間感覚の希薄さが不安に拍車を掛けましたが、なぜかほぼ定刻通りに列車が到着し、次の町へ向けて、来た道を戻りました。

それにしても、フランスの小さな田舎町というのは独特の雰囲気があっていいものです。車内から見える景色だけではなく、歴史的にも面白いものがなぜか多い。この町へ向かう際にも、線路沿いの廃墟郡に興味を持ちました。他にも、電線が谷を越えて渡してある村!?があるものの、ここに住む人たちの暮らしが想像できませんでした。でも、今度は名前の聞いたことのないような駅で途中下車してみよう(w。はてさて、泊まるところはあるのかしら(w。

<<< ランゴーニュの町並み >>>



<<< 教会 >>>



<<< 花火1 >>>



<<< 花火2 >>>



<<< 車窓から1 >>>



<<< 車窓から2 >>>



<<< 車窓から3 >>>



<<< 車窓から4 >>>



<<< 田舎らしい時刻表 >>>



<<< 駅 >>>





<<< 坂の上から望む1 >>>





<<< 坂の上から望む2 >>>





<<< 車窓から >>>





<<< 部屋から見える風景 >>>





<<< ホール広場 >>>





<<< 教会前 >>>





<<< フェスティバル1 >>>





<<< フェスティバル2 >>>





<<< フェスティバル3 >>>





<<< フェスティバル4 >>>





<<< フェスティバル5 >>>





<<< フェスティバル6 >>>






再見
posted by Nabokov at 23:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | Trips
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